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■一枚の絵から ■肌色と3つの色 ■秋 ■なごり雪 ■小津映画 ■田中一村 ■水彩画 ■これから ■桜
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■アート ■絵のスタイル ■闇と光 ■生命と表現の原点 ■エネルギー ■現代アート ■個と全体 ■絵との出会い
■緊張感 ■マチエール ■最近のアート ■秋に想うこと


★アトリエからのメッセージ(1)★



03/10/26
[3]秋

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だいぶ寒くなってきましたが、皆さんカゼなどひいていませんか?私は冬が苦手で夏の眩しい光が好きなのですが、その理由のひとつは、寒くなるとカゼをよくひくこともあって暑い夏が好きになったようです。昔はあまりカゼもひかなかったので夏も冬も好きでしたが、今は運動不足もあってかよくカゼをひきます。それさえなければ冬も嫌いではなかったです。

夏と冬の間にある秋という季節は、金木犀の香りとともに過去の懐かしい想い出をよみがえらせてくれます。懐かしい音楽はいつでもその時の自分に連れて行ってくれるものです。秋はそんな音楽を聞くのにもいい季節ですね。今まで私はいろいろな音楽を聞いてきましたが、最近は元気のいいロックやフリージャズのような激しい音楽は昔ほど聞かなくなりました。

私は学生時代はロマンチストだったようで、今見るとすごく恥ずかしいのですが、ガラにもなくよく詩などを書いていました。感傷にふけってイメージをふくらませることなどが好きだったみたいです。それは今の絵を描くことにもつながってきていると思います。“芸術の秋”という言葉もあるように、自分の世界を創り出す絵描きにとって、新しい構想を練るのに秋という季節はぴったりの季節かもしれませんね。

私が描く絵の中で、水と光の淡彩画はイメージを創り出すためにそのイメージにあった音楽を聞きます。メロディが静かで美しく、自分が感動できる音楽です。最近は“シークレット・ガーデン”の「ソング・フロム・ア・シークレット・ガーデン」などを聞いて描いています。そしてでき上がった絵にまず初め、自分が感動できるかどうかがいちばん大切なことだと思うのです。絵の中からメロディが聞こえてきそうな、そんな絵を描きたいですね。






03/09/11
[2]肌色と3つの色
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私が小学校の1〜2年生だったと思うのですが、父親に肌色の作り方を聞いたことがあります。すると父は白に黄色を少し混ぜ、そして赤をほんの少しと青も少しと言ってパレットに出して作って見せてくれました。私は肌色はこんなに複雑なのだと感心し、これを作れるのは自分だけだと思って嬉しくなりました。そして図画の時間にその肌色を一生懸命作っていると、隣の男の子が茶色に白を混ぜてあっさりと肌色を作ったのを見て、私はショックを受けました。それ以来私も茶色に白を入れて簡単に肌色を作っていましたが、父が教えてくれた赤・黄・青で色を作ることは絵の基本だということを随分後になって知ったのです。

ここで色の基本を少しだけお話ししたいと思います。色には3つの原色(赤・青・黄)がありますが、何も混ざらない純粋な色というのはありません。赤でしたら青か黄のどちらかがほんの少し混ざっています。青でしたら赤が少し混ざったものと、黄色が少し混ざったものがあります。これらを寒色と暖色とも呼んでいます。

美しい色を作る場合は、同じ系統のものを混ぜ合わさなければなりません。たとえば紫を作る時、赤と青を混ぜますが、赤に黄色が混ざった「カドニウムレッド」や、青に黄色が混ざった「セルリアンブルー」などを混ぜると濁ってしまいます。これは赤と青と黄の3つの色が混ざるため濁るのです。したがって、紫を作る時は黄色が混ざっていない色を選びます。青でしたら赤を少し含んだ色(ウルトラマリン)、赤でしたら青を少し含んだ色(アクラマゼンタ)これらを混ぜると美しい紫になります。 絵を描くにはさしあたって3原色のそれぞれの寒色と暖色、計6色があれば、ある程度の色は作れることになります。

最後に代表的な6色の絵の具を上げておきましょう。黄色に青がほんの少し混ざった色(レモンイエロー)、黄色に赤が少し(カドミウムイエロー)、青に黄色が少し(セルリアンブルー)、青に赤が少し(ウルトラマリンブルー)、赤に青が少し(アクラマゼンタ)、赤に黄色が少し(カドニウムレッド)などです。これらが絵を描く基本色の6色です。





03/08/05
[1]1枚の絵から

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私の絵はある家庭の玄関に飾られるのかもしれません。あるいは家族が顔を揃えるリビングかもしれません。または活気に満ちた会社のオフィスかもしれませんが、その絵は飾られた部屋を暖かく包んでくれるようなものであることを望んでいます。

絵は飾られ、人の目に触れることによって生きるものだと思います。絵画は映画のように動きませんし、音楽のように音も出ませんが、静寂なる力が宿っていると思います。その1枚の絵を見たひとりひとりの想いからイメージや想い出が膨らんで、在りし日のことを想い出し、懐かしいメロディーを奏でるのだと思うのです。それが映画や音楽にはない絵の魅力だと思います。

描き終った絵は私の元を離れ、運命の人との出逢いを待ちます。1年、2年あるいは10年、20年もの長い間待ち続けている絵もあります。そして1枚の絵が売れた時、私はその絵を描いた時のことを考えます。この絵はこの人との出会いをずっと待っていたのだと。買われた人に絵の感想を聞くと、いつも私以上にその絵の素晴らしさがわかって、想っていてくれることに気付かされるのです。そんな時に私はその絵を描いた喜びを感じます。

 

 

玉神輝美のサイン